宝塚市政改革

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    ■公共資産の価値の減少、進む老朽化
    H21年4月、中川市長が始めて就任した直前の、我が市の連結貸借対照表を見ると、H21年3/31現在5200億円あった公共資産は、H28年3/31現在4850億円と350億円も、公共資産の価値が減少しています。

    投資額より減価償却が優っているから資産は目減りしているのですが、公共資産の老朽化はどんどん進んでいます。

    平均的な資産老朽化比率は、35%〜50%程度といわれている中、阪神淡路大震災の工事の影響か、生活インフラ国土保全はまだましですが、それ以外は非常に老朽化が進んでいます。




    ■我が市の厳しい財政状況
    国の健全化判断比率である、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の範囲内だから健全と当局は述べますが、1700を超える全国自治体で、この基準を超えているのは夕張市だけです。

    我が市の経常収支比率は毎年95%を超えているので、長年総務省の財政運営ヒアリング対象の自治体です。

    更に、行政コスト対税収等比率(100%を上回っている場合は、過去から蓄積した資産を取り崩したか、あるいは翌年度以降へ引き維ぐ負担が増加したこと、もしくはその両方を表しています)、を見てみると、H23年度以降ずっと100%超えていますので、既に基金の取り崩しなど、資産を食いつぶしながら運営されていることがわかります。




    H23年度は東北大震災や欧州金融危機による円高不況で、全国の自治体では、全体的に大きく税収を落とした関係上、他の自治体ではH24年度から行財政改革に取り組みましたが、我が市では、その間何も手を打たなかったばかりか、更に行政コストがかかる方向へ施策を展開しました。
    それによって、現在の厳しい財政状況を作り出しました。




    中川市政の前のH20年度、365億円あった税収は、H27年度で350億円と減少しています。
    市民税で7億円減少、固定資産税で7億円減少しています。

    ■今後の財政見通し
    当局が発表している財政見通しを見ると、H32年度の税収は、367億円とかなり甘く見積もられています。
    何の経済対策もなされないのに、税収の自然増を見込むのは全く絵に書いた餅です。

    歳出では、既に出費が予定されているもので
      国民健康保険の赤字補填等に11億円
      中央公民館移転に13億円
      長尾中学体育館に19億円
      基幹系システム更新に15億円
      ガーデンフィールズ跡地整備に22億円
      NTN跡地整備に43億円
      病院・下水道などの特別会計への補助金19億円
      その他合わせて、約156億円が5年間で必要です。

    更に金額が確定していないもので、出費が確定的なものは
      新ごみ処理施設建設
      退職手当組合の積立不足が、約19億円
      すみれ墓苑の経営立て直し。現状甘く見積もっても22億円中13億円し
      か回収できない 
      土地開発公社の、簿価と時価の評価損解消
      公共施設マネジメントでは、今の状態をキープしようとすると、今後
      40年間で4500億円必要ですが、この計画では毎年の更新経費113.2億
      円のうち68億円が既に毎年不足しています。

    これを全部こなそうとすれば、本年度、第2次行財政運営アクションプランが発表されましたが、5年で52億3千万の効果額を見込んだとしても、全然追いつかない状況です。

    また、宝塚市の発展を妨げている道路渋滞や生活道路の老朽化など、道路の状況を改善させる計画が予算不足のため、予定すら立てられない状況です。


    ■税収増と行政コスト削減
    我が市の歳入増の策として計画されているのは、ネーミングライツや、空きスペースを民間に貸すとか、公共施設に民間の看板を出して稼ぐとか、ふるさと納税を増やすとか述べられていますが、やらないよりはましという程度で、少しは貢献するでしょうが大きな金額は期待できないと思います。

    本来、市民の所得が向上し、それによって税収増を図ることを目指さなくてはなりません。

    更に、生産年齢人口の増加を目指し、市外に流出している消費を地域内で消費されるよう地域経済循環率を向上させること、投資を呼び込むことが必要です。

    産業統計から我が市の産業の特徴を調べると、大手の製造業は少ないですが、企業数や事業所数では近隣他市に比べ引けを取らないデータが出ていますし、2009年から2012年の創業者数の比較をしてみると県内4位、全国でも約1750自治体中97位と、ポテンシャルは非常に高いですが、小規模事業者が多い産業構造になっています。

    一般には産業を伸ばすための解決策として
     ・特色のある製造業を振興する
     ・知識集約型サービス業を伸ばす
     ・労働集約型産業の生産性を向上させる  

    ことが挙げられていますが、我が市では小規模企業が雇用を増やせるよう成長を促す施策が必要です。
    市内に働く場所が増えれば、家計の所得は向上し、経済の好循環が生まれます。

    このための処方箋を、タイムリーに或いは長期的に描くことが重要になりますが、我が市では長年、系統立てた経済雇用政策を行っておりませんので、対策をしていけば結果は付いてくるものと考えるところです。

    行政コストの削減では、事業仕分けのような総事業を洗い出し、我が市の財政状況に見合った施策を行うことが必要ですが、更に、市役所内の各課別、事業別、施設別の個別の財務諸表を作成し、コストと効果の見える化を図り、更に生産性向上のために、ICT・ビッグデータの活用など、先端技術を活用して効率の良い行政運営を図ることが重要です。

    ■市民協働・公民連携
    行政資産の販売も含めた活用を図り、公共資産の老朽化対策費用を捻出し、民間投資を呼び込み、経済を活性化して、税収を増やしていかねばならないと考えます。

    国交省でも、公的不動産(PRE)の民間活用の拡大を目指し、地方自治体と 民間事業者のマッチングを支援するPRE(公的不動産)ポータルサイトの運営も始まっています。

    更に、市民や民間企業の知恵を借り、事業提案制度を拡充して行くことが必要です。

    加えて、小学校区・中学校区ごとの地域自治システムを確立し、私たちの地域を私たちで創る仕組を完成させなければなりません。

    ■最後に
    我が市は今まで非常に恵まれてきました。
    知名度は高いし、都市のイメージも良い。更に、税収も良く、国の助けはいらないという地方交付税不交付の時代もありました。

    しかし、歳入が頭打ちになっている現状 国の施策に上乗せ横出しする給付型市政は限界が来ていますが、そこから脱却できず、資産を切り崩して給付に走っているのが、現在の我が市の都市経営です。

    更に財政状況や道路状況も顧みず、NTN跡地・ガーデンフィールズ跡地・中央公民館移転など推し進め、工夫もなく、ランニングコストを無視した計画がなされていることも大きな問題です。

    投資なきところに発展はありませんが、入るを量りて出ずるを為すという当たり前の、都市経営がなされてこなかったことは、重大な問題です。

    以上のような課題を克服しながら施策を展開し、将来に渡って栄え続ける宝塚市を創って行かねばならないと考えます。


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    伊藤順一

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